授乳の豆知識;乳児健診でよく聞かれること

子育て

母乳かミルクかの他に、授乳について小児科外来でよく質問されること、気をつけてほしいこと等をまとめてみます。

授乳量や体重増加については、前稿を参照ください ↓ 。

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乳児健診や外来でよく聞く質問

離乳前の赤ちゃんについて、よく聞く質問にお答えします。
離乳後については、また別稿で。

ミルクのメーカー

  • 「ミルクのメーカーはどこがいいですか?」
  • 「病院ではよく飲んでいたので同じものがいいのでしょうか?」

これらはわりとよく聞く質問ですが、どのメーカーでも変わりはないように思います。こちらの記事で引用していますが、育児用ミルクについては成分は規制されているため、各社あまり差はありません。

むしろ気をつけてほしいのは、メーカーの違いよりもミルクの種類の違いです。
ミルクには、育児用粉ミルクの他に、育児用液体ミルク、低出生体重児用ミルク、低アレルゲンミルク、フォローアップミルクなどの種類があります

通常の授乳であれば、適応月齢が新生児~となった『育児用ミルク(粉でも液体でも可)』を使います。
『低出生体重児用ミルク』や『低アレルゲンミルク』は、基本的には通院中の赤ちゃんが医師の指示で使うものですので、通院を必要としていない方は普通の育児用ミルクで十分です。
また、低アレルゲンミルクでミルクアレルギーを予防できるという根拠はありません。
『フォローアップミルク』は、適応月齢がおおむね9か月~となっています。間違えて8か月までの子に飲ませないように気をつけてください。

病院はミルクのメーカーと結託して特定のミルクを売ろうとしている、という批判も聞きますが、ほとんどの病院は数社のミルクを採用し月ごとに変えているため、一社に偏ることはないようになっています。
その月にどの社のミルクを使っているのかは、栄養課では把握していても患者さんと接する病棟スタッフは把握していませんので、病院が販促を行っているという指摘は的外れと思います。

便性状と便秘

  • 「便が水みたいです、下痢ではないですか?」
  • 「便が固めで出るとき苦しそうです」
  • 「どのくらいの間隔で出るのがふつうですか?」
  • 「便秘しています」
  • 「便がくさいです」
  • 「便の色がうすいです」

便の具合は、母乳とミルクでやや違います。典型的には以下の通りです。

母乳のみの赤ちゃんのうんちは、水っぽく回数が多い(1日5~10回など)のが特徴です。
ミルクのみの赤ちゃんのうんちは、ややべとっとしていて回数は1~2日に1回くらいです。

混合栄養の場合はその中間になります。
性状は水っぽい時もべとっとした時も、1日数回でる時も2日に1回くらいの時もある、です。
どんな性質の便がどのくらいの間隔で出ても、異常の可能性は低いということです

便が出るときに一生懸命いきむ子もいます。
赤ちゃんはまだ「手加減」を知りません。いきもうと思ったら全力でいきみます。苦しそう辛そうに見えたりもしますが、全力投球しているだけなので、少しお腹をさすったりしてあげるだけで大丈夫です。

便が水っぽいと下痢ではないかと心配される方もいます。

赤ちゃんでも胃腸炎にはかかるので、下痢することはありますが、水っぽい便の多くは母乳栄養の時のいいうんちです。たとえそれが本当に胃腸炎だとしても、母乳もミルクもやめる必要はなくむしろ飲めていた方が治りが早くなります。
なので、それが下痢かそうでないか悩む前に、普段通り飲めているかどうかをよく見てください。

胃腸炎の際、下痢で失う水分より飲める水分が少ないなら、受診する必要があります。
見分けるポイントは、尿の量が普段通りかどうか、です。
元気がなく飲みが悪いときのほかに、元気があり飲みがよくても尿が少ない場合は、受診を考えてください。

赤ちゃんの便のにおいは母乳、ミルクによらず、離乳前の子では少し酸っぱいにおいが通常です。
帝王切開で生まれた子で「便やおならがくさい」という訴えを聞くことがありますが、帝王切開と経膣分娩では新生児期の腸内細菌の組成が違うとも言われ、そのせいと考えられます。(参考記事:各論編;常在微生物のよろこぶ環境づくり~免疫その⑥‐2

離乳食が始まると、食事内容にあわせて腸内細菌も変化してくるので、においも大人に近くなっていきます。

便秘とはどのようなときをいうのでしょう?

成人の場合は、すっきり出るか、という自覚症状が重視されますが、赤ちゃんの場合は”自覚”はよくわからないので、他覚的に判断します。
それなりの量が出ているか(お腹がぽんぽこぽんに張っていないか)、苦しそうでないか(哺乳が落ちていないか)が、重要な観察ポイントです。便の回数や性状やにおいより、重要です。

生まれてから一度もまともな量が出ていないとか、お腹の皮が薄くなるほど張っているというような場合は、通常産院を退院する前に気づかれますので、病院スタッフに対応を聞いてみてください。

退院後に出が悪くなった場合は、お腹が張って哺乳力が落ちることがなければ、あまり気にしなくて大丈夫です。
とはいえ、ためすぎると出にくくなるのが便の特徴なので、“丸1日出なければ次の日に綿棒での肛門刺激をすること”をおすすめします。

そもそも、哺乳類の赤ん坊は肛門機能が未熟で生まれてくるので、自力で排便できない種も多くいます。犬や猫が仔育てしているところを見たことのある方は知っていると思いますが、生まれたての仔は自力で排便ができないので親が肛門を舐めてあげる必要があります。なので、その段階の子犬や子猫を人が面倒を見るなら、濡らしたガーゼなどで肛門をぬぐう必要があります。

人の子はそこまでではないのですが、やはり出にくいときには肛門刺激が役に立ちます。

参考:綿棒での肛門刺激

綿棒を1本用意し、オリーブオイルやワセリンなど皮膚に塗っても刺激のないオイルをつけます。先っぽの綿で膨らんでるあたり全部につけます。
赤ちゃんがゆったり穏やかな時に行います。飲んだあとは腸が動きやすいのですが吐きやすくもあるので、飲んでしばらくあけたくらいがいいと思います。
仰向けに寝かせおむつを開いて、赤ちゃんの肛門に綿棒を入れます。先っぽの綿で膨らんでるあたり全部まで(1㎝くらい)いれて大丈夫です。
そのまま綿棒をゆっくり小さな円を描くように回します。肛門の出口をつんつくするのではなく、肛門の出口の壁をなぞるような感じです。綿棒を抜き差ししたり、独楽のように回転させるのではなく、円を描くように動かすのがポイントです。
ゆったりした気分で、数十秒~1分くらい刺激して大丈夫です。
出そうになると、肛門がもそもそ動いてきます。そうしたら綿棒をはずし、すかさずおむつを当ててください。おならだけだったら、くり返してみましょう。

出なくて哺乳力がおちるようならば、小児科での浣腸をおすすめとなりますが、元気に飲んでいるならば、肛門刺激をくり返してみてください
生理機能として排便のリズムが整うのは1歳ごろです。乳児に肛門刺激をしても、自力排便できなくなるということはないので、安心してやってあげてください。

便秘何日目には浣腸に行った方がいいかは、その子の腸内細菌や体質によって違うので一概には決められませんが、飲みがよければ3日くらいは綿棒で頑張ってもよいと思います。
それでもでなければ、受診を考えてみてください。

便の色は、母乳・ミルクで大差はありません。
大切なのは、色味ではなく“濃さ”です。白絵具を混ぜたような色でない色という感じでしょうか。
生後1~4か月ごろは母子手帳に挟まっている色見本と「濃さ」を比べてください。色が薄い場合は、おむつを持参するか、便を写真に撮って小児科に相談してください。

その後も、時に白っぽい便が出ることもありますが、本人の元気がよくて、次の便が普段通りの色ならば問題はありません。

「吐くことが多いです」

赤ちゃんはそもそもよく吐きます。生理的に、胃の入り口の弁が弱いためと、体格と比べて大量の水分を胃に蓄えるため、吐きやすいのです。
なので、吐くこと自体は異常とは言えません。調査によると1か月では約9割の子が嘔吐しています。

では、異常な吐き方とは何でしょう?

一般に、けぽっと少し出すとか、いつ乳といって口角からたれるくらいの吐き方は、問題はありません。
血性嘔吐といって吐物に血が混じることもあります。血かもしれないふよふよとしたものが少量あるくらいは気にしなくて大丈夫ですが、吐いたものが血に染まっているような場合は受診が必要です。

生後1~2(3)週くらいの子が、飲んでも飲んでも激しく吐く、または尿量が少ないような場合は、小児科に受診してください
その際、噴水のように吐くことも多いですが、噴水のように吐けば必ず異常というわけでもないです。くり返すかどうか、元気があるかどうか、尿の量がどうかを観察してみてください。

生後3~4週以降で吐いている場合、元気があり、落ち着くと飲みたがり、体重の増えがよければ心配はいりません
1か月健診や小児科に受診、地元の保健師さんの訪問などで体重を測る機会があります。母子手帳の真ん中あたりにある、「乳児身体発育曲線」にプロットしておくようにすると、体重の増えを評価しやすくなります。

吐いた後咳き込む、咳き込んで吐くように見える場合は、小児科に相談した方がよいと思います。飲みながら咳き込むような場合も同様です。元気があり、尿量が減っていなくても、一度受診した方がよいでしょう。

咳き込んでの嘔吐は風邪の時にもみられます。明らかな風邪(家族がひいている、保育所にいっているなど)で、元気があり飲めているなら、尿の量が減ってなければ慌てて受診する必要はありません。

生理的な吐きやすさは、月齢と共におさまってきます。そして離乳食が始まり、食事が水分から固形分主体になってくると、だいぶ吐きにくなります。
嘔吐自体は正常な生理反応のひとつです。怖がらずに見守ってあげてください。

まとめ:受診した方がいい場合

離乳前の赤ちゃんの胃腸症状に関して、受診した方がいい場合のまとめです。

夜間でも急いで受診した方がいい場合
  • 真っ赤な吐物を吐いた
  • 1~2(3)週までの子が激しく吐き始めた
  • (普段と比べて明らかに)尿がでない
  • 色の薄い便が続き、顔色がわるい
  • ぐったりしている
  • 38℃以上の発熱
次の日の日中には受診した方がいい場合
  • 便がでない or お腹が張って、飲みが落ちてきた
  • 便が3日以上でていない
  • 下痢 or 嘔吐で、尿量が減ってきた
  • 便の色が薄い or おかしい気がする
慌てなくていいけど受診/健診で相談した方がいい場合
  • 肛門刺激して出るけど、すっきり出ない感じがする
  • 飲みながらむせる
  • 風邪じゃないのに咳き込んで吐く
  • 吐く量が多いので体重が心配

授乳中のお母さんの栄養の確保

妊娠中は胎盤を通じて、出産後は母乳を通じて、赤ちゃんの得る栄養はお母さんの食べているものと、今まで食べて身体に蓄積しているもので決まります。

栄養過多より不足に注意

過去書いていますが、胎児~乳児期は細胞分裂が一番盛んな時期で「栄養不足」のシグナルは遺伝子の働きそのものに影響を及ぼす可能性が高いと考えられます(参考:遺伝子と環境の気になる関係②:環境への適応・発達)。

その上で、日本人の若い女性のやせ傾向はここ最近で加速しています(参考:自閉症のエピジェネティクス:環境要因について考える~妊娠期の母胎環境とは?)。
妊娠・出産により母胎のたんぱく質・鉄分・脂肪分などは赤ちゃんに移行しますし、出産の際の出血による喪失もあり、出産後の女性の栄養の状態はむしろ悪化している可能性があります。

出産後も、妊娠中と同じように栄養摂取に意識して取り組んでほしいです

大切な栄養素は多岐にわたりますが、特に摂取量を増やそうとしても簡単には増やせない「たんぱく質」はがんばって摂ってほしい栄養素です(参考:親と子のたんぱく質の盛り方)。

他に、脂質やビタミン・ミネラルが重要ですが、ビタミン・ミネラルは動物性たんぱく質を摂取するとある程度はとることができますし、野菜からはあまり摂取できないので、動物性たんぱく質を避けないことが重要です。

脂質は糖質を材料に体内に蓄積していますが(体脂肪といわれるやつですね笑)、不足するレベルだとそもそも妊娠が成立しないと考えられるくらい、重要な成分です。
なので妊娠・出産後の方では不足はよほどでない限りありませんが、脂質を構成する脂肪酸の質は意識したい部分で、質のいい脂質は積極的に摂った方がいいと思います(参考:動物性食品は身体にわるい??:脂肪についての考察)。
脂質は赤ちゃんの脳の材料になる栄養素です、質にこだわってほしいです

必要のないものがあるとすれば…

糖質は赤ちゃんにはそれほど必要のない栄養素です。

胎児~乳児期は脂質代謝を中心にエネルギーは産生されます。それは、赤ちゃんの血糖値が大人よりだいぶ低いことからも分かります。
そもそも人の身体は、たんぱく質や脂質から糖質を合成し血糖値を維持する機能を備えています。これは、あえて外から糖質を補充しなくても生きていけるようにできている、ということを意味します。

疲れたときなど身体は糖分を欲しますが、その糖分は直接は赤ちゃんには必要ないことは、意識しておいてください。(間接的には、体脂肪となり乳脂肪の材料になったり、次の妊娠に備えたりするのですが)

「私たち母親は疲れてるから菓子パンとジュースが必要だ」というような主張がツィッターで賛同を集めているのを目撃しましたが、多くの菓子パンはショートニングというトランス脂肪酸を含んでいるし、ジュースは血糖値を爆上げしやすい食品です(下記参照)。

身体が糖分を欲するからと言って、菓子パンやジュースなどほぼ糖質オンリー食品を食べるのはもったいないです。
同じ糖分補給欲をみたせるものでも、プリンなど卵を使ったお菓子や、本物の生クリームを使ったお菓子や牛乳をベースにした飲み物などは、たんぱく質や良質の脂質をとれるのでいいと思います。
甘いものでなくてもよいなら、たんぱく質のおかず(おつまみ系など)を食べてしまってもいいです。

自分の食事が赤ちゃんを育てると思って、ジャンクはたまの楽しみくらいにしましょう。

乳腺炎になりやすい食事?

乳腺炎は母乳が乳腺にたまっている状態でなりやすくなることは知られていますので、授乳ができない、分泌量が多すぎて余るなどの時は不利となりますが、なぜ母乳がたまると炎症がおきるのか原因ははっきりとは分かっていません

なので、脂質や動物性たんぱく質をとってはいけない、などという指導がされることがあると聞きますが、上述の通り脂質や動物性たんぱく質に罪はありません

おそらく、乳腺”炎”という名のとおり炎症性の疾患なので、体質による炎症のしやすさの方が影響が強いと思われます。
以下、私の推測ですが乳腺炎になりにくい食事(=炎症を起こしにくい体質になる食事)について考えてみます

“炎症”は、外敵(ウイルス、細菌、寄生虫など)を排除するための免疫機能の一部なのですが、現代人は外敵との付き合い方が変わってきたせいか、炎症が不適切に持続するという状態が問題になっています。
いわゆる「慢性炎症」と言われるもので、肥満などの生活習慣病の主病態とも考えられています。

炎症については体質(遺伝的要因)もさることながら、食事も問題になります。“脂質の質”と“糖質の量”の問題です。

脂質の質とは、体内で炎症を起こしやすい脂肪酸と、炎症を抑えやすい脂肪酸があるということです。

中でも、トランス脂肪酸とよばれるものは炎症を起こしやすい脂質の代表で、肥満の多い欧米では食品への使用が禁止されています。
日本では、欧米より使用量が少ないからOKとされていますが、本当に量の問題なのか、トリガーになるなど質の問題なのか、まだはっきりしていません。私はこれは欧米と同じくゼロを目指していい脂質と考えています。
トランス脂肪酸とは、マーガリン、ショートニングという名前で表示されているものに含まれています。原材料表示を確認して、避けるようにお薦めします

次に炎症を起こしやすい脂質と考えられるのは、酸化した油脂です。
一般に油脂は液体(油)の方が酸化しやすく、酸化すると古い油のにおい(油くさい?)が強くなります。開けて時間のたったサラダオイルや、未開封でも時間のたった袋菓子などもにおうことがあります。油がくさくなっていたら食べない方がいいということです

ω3系の油は炎症をおこしにくい油の代表ですが、反面酸化しやすい油でもあります。買う際は早めに使い切れる大きさのものにして、必ず冷蔵庫で保管し、におう前に使い切るようにしてください。

また、油脂の化学的な性質として、加熱すると酸化しやすくなるというものがあります。
食品としては揚げ物に注意が必要です。特に、売っている揚げ物は一日中加熱している油で揚げられていることが多く、油が酸化している可能性が高いと思います。また、揚げ物は時間がたつと中の食材の水分でしっとりするものですが、トランス脂肪を使うとサクサクが保てるという技術があるようで、時間がたってもサクサクが続く物は疑わしいです。
なので、揚げ物は家で新しい油を使って作るか、きちんと油を管理して揚げたてを食べられる店で食べるかした方がよいと思います

炎症を抑えやすい油脂の代表は、上述のω3系脂肪酸を含む油です
ω3系の脂肪酸と、通常の油脂の中に多く含まれるω6系脂肪酸の比率を、ω3が相対的に多くなるようにすることがポイントです。

ω3系には、魚油(EPAやDHA)や植物油(しそ油やアマニ油)があります。使いきりサイズを購入し、冷蔵庫保存し、加熱しないで摂るようにしましょう。魚そのものであれば加熱しても大丈夫です。
また、草食動物の肉は、草だけで育てばω3系脂質が多くなると言われます。完全グラスフェドの肉が手に入ればそれもオススメです。

加熱料理には、酸化しにくい油脂がおすすめです。バター、ラード、ココナッツオイル(無臭タイプは使いやすいです)、オリーブオイルなどがよいと思います。

糖質については、量と食べ方に気をつけたいです。
一般的に糖尿病の人は炎症を起こしやすいのですが、生活習慣病が内臓脂肪の慢性炎症状態であるということの他に、高血糖であるということで炎症を促進する側面もあります。

また、常在菌の内、悪玉菌とされる菌は糖分が大好きです。

これらを踏まえると、糖尿病と診断されていない人でも、体内の炎症を減らしたいと考えるなら、血糖が上がりにくい食事のとり方を工夫することに意味があります


血糖は、食事の糖質量が多いほど、急速に吸収されるほど、上がりやすくなります
なので、糖質の絶対量は少ない方がいいですし、ジュースなど急速に吸収されるものは特によくありません。

なお、食事の糖質は量が同じでも、食物繊維の後に食べると吸収がゆっくりになることが知られています。吸収がゆっくりになることで、食後の血糖の上昇を抑えることができるということです。
おかずが先、ご飯は後、甘いものは食後という順番にすると、たんぱく質のおかずをたくさん摂ることができ、食欲が満たされるのでご飯の食べ過ぎも防げて一石二鳥です。

ご飯にもち麦など食物繊維の豊富な雑穀を混ぜる手もあります。丼物やうどんのような一品料理もおかずが相対的に少なく糖質が多くなりやすいので、おかずを足すなど工夫して糖質量が多くなりすぎないように心がけるとよいでしょう。

しかし、糖質ゼロを目指すのは、女性の体ではかなり難しいので、おすすめしません

初めの一歩としては、おかずを増やしたんぱく質、脂質、野菜をしっかり食べ、お腹がいっぱいなら糖質を減らしていく、という方法がよいでしょう。
すでに妊娠中(前)から糖質を減らした食事をしていた方は、その食事を継続することをおすすめします。

添い乳の危険

添い乳は楽かもしれませんが、小児科医としてはおすすめできません。

理由は、実際に添い乳によるとしか考えられない赤ちゃんの窒息事例があるからです
殆どの場合は大丈夫かも知れませんが、万が一に当たってしまうこともありうると、しっかり認識してほしいです。

添い乳じゃないと疲れる、という方は、お母さん本人の栄養状態の改善(栄養のあるものをちゃんと食べる)、夜間はミルク使用(家族にやってもらってもよい)、産科の産後ケア入院制度をつかうなど、赤ちゃんの危険を伴わない方法も試してみてほしいです。

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