免疫機能を上げる(下げない)方法について考える~免疫その①

コロナウイルスのおかげで、”免疫力”に注目が集まっていますが…

実は、”免疫力”という言葉は、薬機法的には取り締まられやすい、いわばキラーワード(使い方ちがう?w)で、医療機関であっても宣伝には使えないものです。
そのためか、一般の医師の間では、「”免疫力”=とんでも医学」と信じる人も多く、病院では口に出しにくい言葉でした。

それが、今ではどの医師もこぞって「免疫力をあげる(下げない)ように」と口にするようになったのですから、コロナウイルス(Covid19)は医療界の常識すら打ち破るパワーがあるようです。

では、なぜ”免疫力”という言葉が禁句だったのかというと、身体の免疫機能というのはとても複雑で、まだ解明されていないことも多く、現代医学には「免疫力をあげる」治療というのが存在しないからだと思います。
「免疫力を抑える治療(アレルギーや自己免疫疾患の治療など)」や「結果として免疫力の落ちる治療(抗がん剤など)」は存在しますが、それらの治療で下がった免疫機能をあげる方法論は現代医学にはありません。

なので、「免疫力をあげる」=「エビデンスがない」=「とんでも医学」という図式になるのだと思います。

確かに、医療の周りには、人の弱みにつけこむ詐欺まがいのビジネスは跋扈していて、それらのキャッチコピーに”免疫力”という言葉が使われやすいため、法規制が厳しくなったという背景もあり、拒否反応がでやすいことは仕方ないかもしれません。
また、特に今のような時期には、高額転売ヤーのように、あまり価値のないものを高額で売ろうとする輩もでてきやすいので、そこは注意が必要です。

話を戻しますと、「エビデンスがない」=「とんでも」という脊髄反射はそもそも間違っているのですが(昨今のコロナ治療でそれが証明されています、今行われて効果をあげている治療のほとんどにエビデンスはありません)、「免疫力をあげる方法がない」というのもまた間違いだと思います。

例えば肺結核という疾患があります。結核菌という細菌の感染によっておきます。
現代では抗結核薬という抗菌薬を治療に使いますが、1950年代にその薬が開発される前までは、”治療=療養”でした。療養というのは、身体を休め、滋養のある食べ物を食べ、リラックスして過ごすことです。漢方薬も使われていました。
結核菌は感染性があるので、療養所という名の隔離施設に入ることも一般的でした。
当時は亡くなる人の多い疾患でしたが、その治療で良くなって退院する人もいたし、不顕性感染(かごく軽症)のため、治療なしで治る人もいました。

今のコロナウイルス感染に対する治療と似ていますね。

昔は、免疫機能のしくみも不明だったため「免疫力をあげる治療」と言われていなかっただけで、していることは免疫力に効果のあることでした。経験的に知恵が蓄積し、結果として肺結核が治る人がでていました。歴史的には「免疫を上げる治療」の実績(エビデンス)はあったということになります。

現代の私たちにはさらに、経験則から導かれた実績に、現代の知識を組みあわせて、より効率の良い方法を考えることができるので、「免疫力」を拒否してしまってはもったいないと思っていました。

転んでもただでは起きない精神で、日本の(頭の固い)医療界もイノベーションされてくれればいいなと思っています。

騙されないために、免疫の知識をもちましょう

「免疫」の領域には、ネット内外に詐欺まがいの輩が多いことは前述したとおりです。
玉石混交の情報を見きわめ、「○○が効く」などの情報に踊らされないために、簡単でもいいので免疫に関する知識はつけておくといいと思います。
しかし、免疫学者などの人の発信する情報は難しすぎるのが難点です。治療薬を開発したり、研究ではないのですから、そこまで細かい知識は必要ありません。

健康のために(コロナ感染・重症化予防のためにも)、ざっくりとした免疫のしくみを見て、対応策をかんがえてみたいと思います。

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