主にこどもの発達障害について、こどもさんの力を伸ばす方法、問題行動への対処法など、お伝えします。どんなこどもの子育てにも役立つ情報です。
発達のメカニズム~多動傾向のなりたち
過去稿でも触れましたが、私は、日本人はグラデーション的には全員が自閉症の遺伝傾向を持っている、またその中で多動症の遺伝傾向のある人は臨床域で数%、グラデーション的には数十%くらいと考えています。
なので゛普通に”育てても多少の特性が...
発達のメカニズム~自閉傾向のなりたち
前稿での健常児寄りの発達のメカニズムから派生して、発達障害のなりたちについて考察します。まずは日本人のすべてがあてはまる「自閉傾向(ASD傾向)」について。
多動傾向についてはこちら
自閉のなりたちと支援の...
なぜ「先天障害」ではなく「発達障害」なのか?~発達のメカニズム
発達障害はあくまで“発達”障害であって、“先天”障害ではありません。生まれつきで「そうなる」と決まったわけではなくて、発達の過程でなりたつということです。なので、特性に対する支援アプローチも、発達の終わった大人と、発達途上の子ども...
発達障害特性をふまえた現代日本社会の生きのび方
前稿で、古来からの日本社会のあり方に適応した日本人の発達障害性について考えました。現代では、社会構造の変化があり、自閉傾向、多動傾向ともに生きづらさがあるため、発達障害特性がクローズアップしていると考えられます。
発達障害特性と現代...
発達障害は増えているのか、多いのか?:進化・歴史から考える発達障害~日本人らしさとは?
TwitterなどのSNSをみていると、「発達障害の当事者を称する人」を多く見かけます。Twitterは特に即時性が重視されるせいか、多動症(ADHD)と相性がよさそうなため、余計目立つのかもしれませんが、発達障害という言葉が日常語になっ...
好き嫌いについての考察①
これは私の個人的な体験ですが、保育園の時の給食でグリーンピースを嚙んだ瞬間、吐き気を催し(吐かずに我慢できましたが)、それ以来グリーンピースが嫌いです。
その後、高校生の頃、家族でフレンチレストランに行きました。嫌いなものがあるか聞...
自閉症のエピジェネティクス:環境要因について考える
前々稿、前稿と『遺伝子と環境の気になる関係』を見てきました。私たちは、遺伝子にすべて規定されているわけではなく、環境の影響も強く受けて、柔軟に変化しながら生きていると、なんとなくでも理解できたでしょうか?
その中で、双子研究に触れま...
遺伝子と環境の気になる関係②:環境への適応・発達
前稿は環境がどのように遺伝子の制御に影響するかをみましたが、今稿は遺伝子が作り出すたんぱく質とそのたんぱく質がおこなう身体の機能への環境の影響についてみてみます。前半は細胞の働き方、後半は発達との関連でです。
細胞のあつまりが生命に...
発達障害は増えているの?~増えているとすればその要因は?
自己紹介にも載せていますが、私の医師としての専門は、小児(児童)精神科になります。主に、乳幼児の成長・発達支援をしています。
療育センターで会う患者さんは、やはり「発達障害かもしれない」が主訴の方が一番多く、初診で2~4歳くらいが目...