ワクチンについて、0か100かの極端な意見ばかり目立つけれど、私はリスクと利益をそれぞれ測りグラデーション的に判断する問題だと思っている

いろいろ

witterでワクチンについての考え方を共有したところ、好評いただいたので、こちらにまとめて転載します。

主に、コロナウイルスのワクチンについての考察ですが、他のワクチンも基本の考え方は同じです。

個々の疾患によって、罹患した時のリスクがあり、感染のしやすさがあり、防疫の目標があります。
個々のワクチンにも、副反応の頻度、重症度があり、ワクチンによる感染防御率・重症化予防率などと、罹患した際に起こりうる事象を比較検討することになります。

(以下、転載)

ワクチンの利益は、
①個別の感染・重症化予防効果
②集団としての感染予防効果
のふたつがある。
②は社会で多くの人が免疫を持つことで感染の機会を減らすといういわゆる集団免疫効果。また重症化した人ほど、分科会発表では高齢者ほどウイルス排出量が多く、重症化を防ぐのは二重の効果がある。

コロナワクチンも①②両方の効果が期待される。
重症化しやすい高齢者に打つのは①(②)の効果を、ウェーイしがちな若者に打つのは②の効果を主に狙う考え方。
そしてワクチン=医療行為にはリスクが存在する。
リスク0にはならないので、個人では罹患時、社会では接種のコストと比較することになる

ワクチンのリスクは、超短期リスク(接種後数時間~)、短期リスク(数日~数ヵ月)、長期リスク(数ヵ月~)、社会的コストは、ワクチン代金とオペレーションにまつわるものがある。
社会的にはワクチンを打たないリスクもある、国際的な信用やオリンピック開催への影響(外国の出方次第なので予測不能)。

リスク具体的には→
超短期リスク:アナフィラキシーショックの可能性
短期リスク:血栓症の可能性(先行接種後死亡した非高齢者では出血(血栓?)が目立っているように思う、この年齢層・男女別の平時の罹患率や死亡率と比較しないとはっきりはしないけど、可能性としては気になるところ)

補足;厚生労働省資料

*いずれにしても、副反応の罹患率、致死率ともに、今のところそれほど高いものではなさそうで、高齢者に関しては罹患したリスクの方がはるかに大きいと思う。

長期リスク:不明(通常ワクチンに関連する副反応は接種後半年以内にでるとされるので、先行接種した国からそろそろ事例が検討されるはず)

補足

(日本で採用されているF社のものについて)接種後の有害事象として大きな問題を発表している国はなさそうです。

これら(利益①個別の感染・重症化予防効果  ②集団としての感染予防効果、リスク諸々)を踏まえて、接種が妥当かどうか、誰が打つべきか…などを検討すると→

高齢者・有基礎疾患者;
①◎ 
②◎(高齢者のウイルス排出量は多い) 
リスク△

医療介護職につく人;
①◎(感染者に触れる機会が多い)
②〇(易感染者・免疫の弱い人に触れる機会が多い)
リスク△

補足

補足;高齢者、医療介護従事者は、利益>>リスク

中高年:後述

若者・子供;
①△(そもそも重症化率死亡率低) 
②△~〇(人口比的に社会への影響が大きくなく、罹患時のウイルス排出は小さい、核家族が多く高齢者との接触が少ない) 
リスク△

補足

若者・子供は、利益がほとんどないので僅少としてもリスクを負うのは望ましくない

こう考えるとワクチン接種は、高齢者・基礎疾患もちはマスト、医療介護従事者は推奨、若年者は不要といえる。
但し不要の裏には、野良ウイルスとして市中で感染し免疫を得ることが前提。この感染力なら、接触減の対策をやめれば蔓延するので、若者は十分免疫を得られる、従来風邪と同じ経過。

悩ましいのは中高年(重症化しにくい~65歳くらい)。
現在の年齢では、野良でコロナに感染しても重症化率致死率とも高くはないので、①メリットはあまりなく、②は若者と同じ△~〇 リスク△。
しかし、ワクチンの普及によって、流行その物が抑えられた時、野良で感染する確率は当然さがる。

そのまま数十年が経過すると…何度目かの再流行の時に、高齢者として初感染に見舞われる可能性がある。
(若者にもこの可能性があるが、中高年より高齢化するまでの時間が長いので、確率が低い)
当然その可能性は、再流行の頻度・程度によって変わるので、未知数。

ウイルスは一般に若年者ほど初感染時の症状は軽くすむ
乳幼児の初感染がきついウイルスは“強毒”ウイルスなのでワクチンでの予防が推奨され、これらのウイルスに大人がノーワクチンで初感染すると症状は子どもの比ではなく重症になる(麻疹、おたふく、EBVなどよく知られる)。

大人が子どもより感染に強いように見えるのは、子ども時代にそのウイルスに触れたりワクチンを打ったりして免疫があるから
同じ条件で初感染すれば(新型コロナはまさにこれ)、大人の方が症状は重くなる。

つまり中高年は、自分が比較的若いうちに野良で感染するか、感染できず高齢化しリスク集団になるかの可能性を測る必要がある
今打つのも一つの選択だし、数年後自分がハイリスク集団に近づいたら打つという選択もある。
数年後には、長期的副反応の検討も出揃ってると思うので、安心感も増えそう。

最後に、社会としてのワクチンの位置づけを考える。

現状、世界的にCovid19は強毒ウイルスと認識され、日本の被害の現状とは見合わない強硬対策が取られている。
ただ日本も国際社会の一員(そしてオリンピック開催国)として、その対策に付き合わなければならないというジレンマがある。

欧米で始まっているワクチンパスポート、接種率が安全国の基準になる可能性、検査陽性者数の発表はいつまでやるのか…等々、国際社会の動きを見ないと予測できない面もある。
野良化=風邪化は、日本国内だけでなされるマターではない

私は個人的には、日本ではこのウイルスは野良化させての免疫獲得・騒動収束で問題ないと考えているけど、諸外国の意向により接種率をあげる必要はあるかも知れず、その場合は若い人も中高年も打つ流れになっても仕方ないと思う。

そもそもワクチンには、②集団の利益のために、個人がリスクを負うという側面がある。
社会のインフラや人間関係に依存して生活しているのであれば、ワクチンを打つのは社会構成員の責務であるという考えは、間違っていない。

ただ社会の面でも、②集団の利益(感染・重症者を減らすこと)が、社会の負うリスク・コストに見合うかの検討は必要と思う
ワクチン代金、接種オペレーションコストの他、個人の負う副反応リスクの総和など。

今行われている経済・社会活動の締め付けをやめるために高接種率が効くか、従来風邪と同じように一度免疫のついたものは抗体価に関わらず重症化しにくくなるなら毎年の接種が必要か、その辺も今後見きわめていく必要があると思う。

私はワクチンによって今の対策を終了できるならば、かなり大きな社会的メリットだと考えている。
現在の対策により、失われているもの(税収、国の予算、少子化、若年者の将来の希望…)は大きすぎる。
多少ワクチンに不安があっても、接種をやめるほどの不利益というレベルではないと思う。

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